2015年4月27日月曜日

ヘッドルームとフットルーム

3年位前のトラブルの話を整理。
ヘッドルームは図の電源電圧5Vまで使えない部分。ゼロ側のことをフットルームと表現するようだ。

【現象】
さて、トラブルは、既存設備への追加改造で外部付加回路として電流検出アンプを片電源回路で設けた。
極力ゼロ付近まで正しく測定値が得られるように、入力レールツーレールのオペアンプを使った。
ところが、測定端オープン時に、ゼロにならずプラス側の値が表示され、その値がアンプのスペックより大きい。
原因は、フルスケールが204.7nAだったので感度が高く、拾ってしまうハムが整流され非対称波形となって測定値をプラス側に振らす。

【解決策】
  • ハムの重畳は物理的に対策するしかない。
  • 両極性の回路にすれば、後段でも除去できる(普通はこうなっている)
  • フットルームによるゼロがゼロにならない問題は、出力負荷を軽くして、アンプのスペック通りの性能を引き出すしかない
  • よりよいアンプに交換する(してもゼロにはならない)
  • オフセット値を設定する機能は設けたが、全測定範囲で誤差になるので使えない
  • マイナス側へ電源電圧範囲を広げた回路にすればOK
実際は、良否判定値の10nA付近の精度が重要なだけなので、「ゼロにはなりませんと」と事情を説明し、説明書に明記した。(オフセットのような全範囲の誤差ではないことも)

【余談・単電源用オペアンプとレールツーレール】
「レールツーレールのオペアンプは、0V~VCCの範囲まで扱うことができ、 ほぼ入出力の関係は直線です。」とあったりするが、「ほぼ」であって全範囲ではない。ACのアンプを想定した記述になっている場合が多い。
ただし、片電源用オペアンプの中にはマイナス側入力も出来るタイプがあり、全てが図の様になるわけではない。

【余談・回路はバイポーラだけどAD変換はユニポーラ】
昔の計測回路はこれ。この場合オフセット分が、マイナスへずれていても分からない。
AD変換をバイポーラにすると、逆極性の値が示されて、「逆に流れているのかと」騒ぐ人が出てくる。高感度回路の場合は、ハムの波形の対称性までも影響する。

【余談・リーク電流】
集積回路全体の静止時のリーク電流は機能的な不具合や、ウェハーレベルの性能低下などを察知できたりするようで、この検査を省略するにはリスクが伴うようだ。